音源方位

前項で音の速度について確認しました。光に比べて音は速度が遅いから到達時差を人は感じる事が出来ます。
また、一般的に音は「距離に比例して小さく」なります。つまり近い音は大きく、遠い音は小さく聞こえます。このような「時差(到達時間差)」と「音量差」によって人は音の発生方向や距離を把握する事が出来ます。勿論、その距離感や方向感覚には個人差がありますし、視覚情報(目で見た様子)が音に優先される事もあります。

映像的には右方向にある物体の音を左右同じ音量で聴いたとしても視覚が優先されて、人は「右」と判断します。
しかしこの場合も視覚情報によって人が期待する音の位置方向から実際に音を出してあげる事が出来たら、その映像がより「現実的」なものとして受け入れる事が出来ると思います。

映像に反するような音ではなく、映像から期待する音を(仮にそんな音は現実には存在しないとしても)用意する事で、そこに強いリアリティーを感じ、臨場感を実感する事が出来ると思います。

つまり、ありもしないでっち上げの音だったとしても、ありそうな音であれば現実味をもって違和感無く受入、視聴者に楽しみや満足を与える事が出来ると思います。

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